はすば歯車
はすば歯車(ヘリカルギヤ)は、歯が軸に対して斜めに切られた歯車で、螺旋状の形状を持っています。この設計により、歯同士が同時に噛み合う面積が広がり、力の伝達がよりスムーズになります。はすば歯車は、平歯車(スパーギヤ)に比べて、より高い効率と静音性を提供します。静かに回りますが、高い負荷をかけることはできません。平歯車は中心軸に水平に歯がついていて、角度がついているものをはすば歯車と呼び、特に角度が45°以上のものをねじ歯車と呼びます。
弊社対応可能サイズ(mm)
Φ150まで

はすば歯車(ヘリカルギア)製作事例

部品名:はすば歯車
材質:C3604
サイズ:Φ20

部品名:ねじ歯車
材質:SCM415
サイズ:Φ40

部品名:はすば歯車
材質:鉄系焼結
サイズ:Φ23

はすば歯車の特徴
はすば歯車の主な特徴には以下の点があります。
- 滑らかな噛み合い: 歯が斜めに配置されているため、歯同士の接触が連続的で、振動や騒音が少なくなります。
- 高い噛み合い率: 同時に噛み合う歯の数が多く、荷重が分散されるため、強度が向上します。
- スラスト荷重の発生: 歯の配置により、駆動時にスラスト荷重が発生します。このため、特別な軸受けが必要です。
はすば歯車の利点
静音性と振動の低減
はすば歯車は、歯が滑らかに噛み合うため、動作中の振動や騒音が少なく、特に高回転時にその効果が顕著です。これにより、機械全体の運転音が低減され、快適な使用環境が提供されます。
高い耐久性と強度
はすば歯車は、歯の接触面が広いため、荷重が分散され、耐久性が向上します。これにより、長期間の使用に耐えることができ、メンテナンスの頻度も減少します。
荷重分散の効果
複数の歯が同時に噛み合うことで、荷重が均等に分散され、局所的な摩耗や破損のリスクが低減します。これにより、全体的な信頼性が向上します。
はすば歯車の欠点
スラスト荷重の発生
はすば歯車は、歯の配置によりスラスト荷重が発生します。この荷重は、軸に対して大きな負担をかけるため、適切な軸受けの選定が必要です。これにより、設計が複雑になり、コストが増加する可能性があります。
製造コストの高さ
はすば歯車は、製造が平歯車に比べて難易度が高く、精密な加工が求められます。そのため、製造コストが高くなる傾向があります。
はすば歯車と平歯車の比較
はすば歯車は、製造が平歯車に比べて難易度が高く、精密な加工が求められます。そのため、製造コストが高くなる傾向があります。静音性や耐久性が必要な機器には「はすば歯車」、コスト効率やシンプルな構造を重視する装置には「平歯車」が適しています。用途に合わせて最適な歯車を選び、機械の性能とコストのバランスを取ることが大切です。
1. 噛み合いと静音性
- はすば歯車は歯が斜めに配置されているため、滑らかに噛み合い、騒音や振動が少ないのが特徴です。静音性が必要な場面や高速回転する機械に適しています。
- 平歯車は歯がまっすぐで、一度に接触する歯の数が少ないため、振動や騒音が発生しやすいです。
2. 力の伝達効率
- はすば歯車は滑らかな噛み合いで、エネルギーを効率よく伝達しますが、軸方向にスラスト荷重(横方向の力)がかかり、特別な軸受けが必要です。
- 平歯車はスラスト荷重が発生しないため、構造がシンプルで、エネルギー伝達も効率的です。
3. 製造コスト
- はすば歯車は精密加工が必要で、平歯車よりも製造コストが高めです。
- 平歯車は構造が簡単で、製造しやすく、コストも低く抑えられます。
4. 主な用途
- はすば歯車は静音性と耐久性が求められる自動車部品や精密機器、産業機械で使用されます。
- 平歯車はコスト重視の一般機械や低速装置で使われ、コストを抑えた動力伝達が可能です。
はすば歯車の主な用途
自動車産業における利用
はすば歯車は、自動車のトランスミッションや減速機に広く使用されています。高い強度と静音性が求められるため、特に重要な役割を果たします。
産業機器での応用
産業機器や工作機械でも、はすば歯車は高負荷に耐えるために使用されます。特に、精密な動作が求められる場面での利用が多いです。
農業機器や電動工具での使用
農業機器や電動工具でも、はすば歯車は高トルクを必要とする用途で使用されます。これにより、効率的な動力伝達が実現されます。
はすば歯車の設計ポイント
歯形状と角度の選定
はすば歯車の設計では、歯の傾斜角や形状が重要です。適切な角度を選定することで、噛み合いの効率や耐久性が向上します。
材料の選定と耐摩耗性
耐摩耗性の高い材料を選定することが、はすば歯車の寿命を延ばすために重要です。一般的には、鋼や青銅などが使用されます。
潤滑方法の考慮
潤滑は、摩擦を減少させ、はすば歯車の寿命を延ばすために不可欠です。適切な潤滑方法を選定することが重要です。
スラスト荷重の管理
スラスト荷重を適切に管理するために、強度の高い軸受けを使用することが必要です。これにより、機械全体の安定性が向上します